ブルックリン最終出口
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20年くらい前、学生の頃に買おうと思っていながら買ってなかったら、いつの間にか絶版になってしまった本です。
『夢へのレクイエム』が1999年頃映画になったためいい機会だったのですが、それでも再版されませんでした。
ネットで安く買って読んだのですが、これは学生の頃に読んでおくべきでしたね。
1950年代のすさんだ生活が描かれています。
胸が自慢の娼婦が酔っぱらって調子に乗りすぎて店にいた男全員に侵されて死んでしまう話や、労働組合の代表をやっている男がゲイの世界にはまって最後には男の子をいたずらしようとして仲間に半殺しにされるとか。
ビートの流れにいる人だから、露骨でえげつない描写が淡々と続きます。
イタリアでも戦後ネオレアリズモが流行りましたが、イタロ・カルヴィーノの初期作品やピエル・パオロ・パゾリーニの小説に雰囲気が似ているかもしれません。
よくビジネス雑誌に企業ドラマみたいな小説がありますよね。
あれも起こったことを淡々と描いているだけですが、表現の仕方が違うんですよね。「誰々が決断したのはその時だった」みたいな。
そういう小説とは正反対のものです。
僕は『ブルックリン最終出口』の側から出られません。
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