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    春日武彦「自殺帳」

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    春日武彦「自殺帳」
    告知の投稿にあった「自殺帳」という見慣れない言葉に反応した。
    精神科医として接した患者20名以上が自殺した経験をもとに自殺について思いを巡らせた論考集。
    実際の患者について詳しく述べているのは1人だけで、新聞沙汰になった自殺者の経緯や創作物での自殺のリアルさを考えている。そこで出てくる答えは自殺する理由は本人以外にはわからないということだ。そこで自殺を7つの型に分けて、どうして自殺しようという考えに至るのか分析をしている。
    この本に答えはない。自殺することに対して良し悪しも判断しない。重く、答えのない問いだから書くのが苦しくWeb連載は一時中断したという。コロナ禍でアイデアが浮かび後の連載文を一気に書き上げたそう。
    著者自身もこの本への態度は定まっていないようで冒頭には「はじめに」が2バージョン掲載されている。

    有名人が自殺すると話題になることも自殺する理由がわからないことに起因する。理由をめぐり想像を働かせるとフィクションの物語となる。その答えのない物語に興味がひきつけられる。
    他人が考えていることはわからない。死んでしまうと聞くことすらできない。死という絶対的なものにはわからないという恐怖と好奇心が呼び起こされる。
    タイトルも「自殺ノート」とかなら無難な感じだが、「自殺帳」という違和感のある言葉を選んだのは「自殺」について新しい視点で語るのに相応しいと感じた。
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