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    川井俊夫 「金は払う、冒険は愉快だ」

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    無頼で厭世的なツイートを見かけていた古道具屋店主、川井俊夫初の著書「金は払う、冒険は愉快だ」
    プロフィールを見ると横浜出身、藤沢育ち。中卒、アルコール依存症、ホームレス、会社員をへて関西の古道具屋に。伝説のテキストサイト運営人とのこと。ツイッターには「詩人」ともある。
    今まで古物にまつわる本は読んで当たりばかりだったので読んでみた。
    小売りはしない古道具屋なので話しは買取りのこととなる。店頭への持ち込みも受け入れてるみたいだけど、意外な展開となる話しとしては誰かが亡くなって家に残されたものを引き取って欲しいという依頼が中心になる。どこの誰だかわからない人の家に入って金目のものを見繕うのだから体のいい泥棒みたいなものだ。そして元住民の生活を目の当たりにすることにもなり、依頼者とのやり取りもあるため結果として他人の人生に関わることになる。エピソードの数々も、著者のものごとの捉え方も面白い。露悪的な口の悪さを面白がれる人は読んだらはまるだろう。

    面白すぎてこれ本当に事実なのかなと疑ってしまうが帯に「痛快"冒険"私小説」とある通り事実をだいぶ脚色した小説なんだろう。
    ちょっと読めば海外小説をかなり読み込んでいる人だというのがわかる。無頼で厭世的なアメリカの作家の影響を感じる。特にお金に困って深夜の宅配便屋で働くエピソードの描写は「郵便局員」だ。
    帯を見た時に「この町で一番」という部分を載せているだけでオマージュかなと思ってしまった。
    昔のテキストサイトの抜粋が電子書籍で発表されていて、そこのプロフィールに好きな作家として想像してた通りの名前が書いてあった。
    ファンが高じて歌手そっくりの格好や仕草になる人がいるけどこの達者な文章も似たものを感じてしまった。
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