菅原伸郎「宗教をどう教えるか」
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部屋の片付けをしていて目に入った本。
菅原伸郎「宗教をどう教えるか」
オウム真理教事件を受けて朝日新聞東京本社版で1996年から99年まで連載された「宗教と教育」を再構成したもの。1999年刊。
実際の学校教育、カルト宗教について、ヨーロッパの場合など週1回2年半にかけて94回の連載とは思えないくらいの密度。読んだ時はヤマギシ会とエホバの証人のエピソードが強烈だった。
パラパラと見てみると取材を受けている教師の対応も今よりしっかりしている気がする。仏教と神道があった上で新興宗教やカルトが出てきた流れが掴めていたからかもしれない。大人に正しい知識がないところにカルトがさも権威があるかのように近づいてくる今の方が危険は増している。
最後の方にロシアの宗教事情がまとめられていて時宜的に読み直したら面白かった。共産主義で無神論国家だからこそ宗教心が高まるし政府や組織もカルト的になっていくのがわかる。
これは本当に労作。古本が格安で流通してるので興味のある人は読んでみるとるいいよ。
自分は家庭も学校も宗教と無縁だったんだけど高校生くらいになると争いは良くないから体育を見学するとか選挙前に急に政党の話しをし出すとか宗教を信じてる人が身近にいるのに気がついた。オウムの事件の後にヤマギシ会が問題になったりして気になってこの本を読んだような覚えがあるな。宗教にはまる人や逆に布教する人の考え方を知りたかったのかもしれない。
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