荒木優太「サークル有害論 なぜ小集団は毒されるのか」
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発売前から面白そうだと思った荒木優太「サークル有害論 なぜ小集団は毒されるのか」
オビには「読書会、勉強会、NPO、趣味の集い……あなたのコミュニティは大丈夫?」「サークルクラッシャー」とあり小集団が陥る罠について書いてあるのかと読み進めると戦後人文学者のサークルや論争の話しが続く。
この本、実は「すばる」2021年1月号に掲載された「円を歪ませるもの-鶴見俊輔とサークルの思想」を大幅に加筆修正したものだという。
もともとロシア語であるサークルの起源と成り立ちが日本では労働組合と関わっていることから戦後の思想史とつながっていく。
もっとポップで実践的な内容をイメージしていたので読むのに苦労した。先日読んだ「平成転向論」に重なるところもあった。
「サークル有害論」というタイトルからすると序章と終章の内容で全編書いてほしいところだった。
著者は在野研究者を名乗っている。論文として発表したら無駄が多く論旨が曖昧だと言われそうだが、寄り道や遠回りをしながら思索するのは個人的には好みだ。谷川雁も元のタイトルに入ってる鶴見俊輔も読んだことないんだけど読んでみなきゃいけないかな。
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