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    団鬼六 「死んでたまるか 団鬼六自伝エッセイ」

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    SM作家団鬼六、死の半年前に刊行された自伝「死んでたまるか 団鬼六自伝エッセイ」
    団鬼六の名前を知ったのは高校生の頃戸部に住んでた同級生が「家の近くに豪邸が建って庭におじさんが座っていて、それが団鬼六の家だった」と聞いた時。
    幻冬社アウトロー文庫が再発に力を入れてたんだけど著作が膨大でタイトルも似ていて何から読んでいいのかわからないままだったのでこの機会に手に取った。
    1979年から2010年の間に書かれたエッセイからの選集で昭和の文豪然とした濃密な文章。
    「自伝エッセイ」と銘打つくらいなので特に昔のことは脚色も加えられているようだ。
    戦時中の話しに始まり飲み屋での出来事や交友録が綴られていく。
    高橋貞二の交通事故死や殺人事件など奇妙な出来事と出くわしたり、力士やたこ八郎との関わりなど交友関係の広さと人への興味が感じられる。時折り掲載される写真の中にみうらじゅんも写っている。そういえば昔団鬼六のことをよく語っていた。
    将棋の話しが多いのは将棋関係の雑誌に掲載されたエッセイが多いため。
    60歳を過ぎて牛丼の吉野家で飲むのを覚えて「ここへ出入りする人々のむき出しにした生々しい食欲を見廻しながらチビリ、チビリと酒を飲む気分はこれこそ粋人の飲み方だと感じる事がある」と語るのはいかにもな文章だ。
    相場に失敗したり将棋の雑誌の経営に手を出したり金の扱いも大胆で横浜の3億とも5億ともいわれる豪邸も5年で手放すことになったらしい。1994年というからバブル崩壊後だ。
    最後の無頼派作家だ。

    帯なんだけど表紙の写真を透過させてデザインしてるのが文庫としては手がかかっているな。

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