絶対に終電を逃さない女 「シティガール未満」
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「絶対に終電を逃さない女」の初著書「シティガール未満」
「絶対に終電を逃さない女」てなんてペンネームだと思うけど20歳頃に決めてこの名前でもう7年ほど活動してるそう。
Twitterやnoteに書いていた文章を見て編集者に声をかけられ、GINZAで連載していたエッセイが出版された。
地方から出てきて東京に住み、ストリートスナップには取り上げられないけど髪型やオシャレを楽しんでいるから「シティガール未満」。そんな女性が東京の街にまつわる思い出をつづっている。
こういうエッセイだと地元や東京への反発や職場での不満を書いてる本がほとんどだけど、この著者には悪意がない。シティガールになれないことにも卑下しない。けっこう珍しいことだ。
実際に東京に住んでいる女性もシティガールにはならない/なれない人がほとんどなのだから、そういった人たちの思いもすくい上げるような等身大の読み物になっている。
本を読む前に帯を見てなんか大げさだなと思ったんだけど読んでみたらこういう感想が出るのは納得だ。
特段変わったことが書いてある訳ではないけど読んで癒される人は多いんじゃないだろうか。
ペンネームについても何度か触れている。
この本は発売前にTwitterで見かけた。詳細を見たら「新宿の相席居酒屋とディスクユニオン」という章があり気になったのだけどレコードもCDも音楽も関係ない内容だった。他の章にはスミスやストーン・ローゼズなんて名前が出てるから音楽も好きなんだろうけど。
著者は諸事情から執筆を本業にしているそう。読者が増えて書き続けられるといいな。
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