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    真魚八重子「心の壊し方日記」

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    題名が強い。
    映画ライター真魚八重子の「心の壊し方日記」
    真魚八重子はネットの記事をみかけて、映写師がブログを書いていて映画ライターになったというプロフィールも知っていた。雑誌映画秘宝が炎上して結果廃刊になったのだけどその騒動に巻き込まれて炎上してたのも覚えていたからその話しかなと思い読み始めたら、違った。

    10歳上の兄が大動脈瘤破裂で突然亡くなる。
    葬儀後に遺品の整理をしていると、離婚して実家の近くに住んでいた兄が実家の土地も売り高額な借金を抱えていたことが判明する。
    その大事な時に高齢な母親が認知症を患いはじめる。またこの母親が父親の言うことに従ってきたタイプで世間の目を気にするわりに常識に欠けるところがあり著者は振り回される。借金の返済のため実家を取り壊し母親を介護施設に入れるため、住んでる東京と実家の往復の日々が続く。
    悪いことは続くもので夫の癌も判明し、徐々に心が蝕まれていく。
    鬱で自分の行動がぼんやりしているなか映画秘宝の件では雑誌スタッフを擁護するようなことをTwitterにあげてしまい二次加害だと炎上する。
    状況と自分の認識力が悪化するなか、最後には自殺既遂直前までいってしまう。
    最後の後書きに本人も書いているが、自殺に失敗して意識が戻ってきたのを書き残せるのは稀有な経験だ。
    そして題名。「壊れ方」ではなくて「壊し方」と名付けられたのは著者が俯瞰して見て自分の考え方が自殺へと追い込んでいったと理解したんだろう。これを認めるのは強い判断だ。
    一人の女性がさまざまな困難を抱え込み、将来への不安を思い悩む過程が描かれるため苦手な人もいるだろうけど、似たような状況にいると慰めになるのではないだろうか。自殺についての記載があるためそこは自己判断で。保護猫との生活も日々の潤いとして書かれている。

    本屋の映画コーナーにあったけどこれはエッセイに置いてあって方が良さそうだ。

    それにしても長年会っていなかった兄が突然亡くなり、離婚していること、部屋がゴミであふれていることなど書き出しが村井理子「兄の終い」と似ていた。「兄の終い」は5日という期限で葬儀やら何やら片付けてしまおうという心情的にサバサバしたものだったためにより違いを感じてしまう。
    村井理子も今義理の親の認知症に振り回されているので40代の書き手にとって肉身の死や病は身近なものなんだな。
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