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    中村明珍「ダンス・イン・ザ・ファーム」

    CATEGORYBook




    本屋で書名が目に入った「ダンス・イン・ザ・ファーム 周防大島で坊主と農家と他いろいろ」。
    帯と合わせると地方に移住した僧侶が農家をやっているらしい。
    なぜか音楽コーナーに置いてあり裏表紙にはギターのイラストが。中村明珍て名前のミュージシャンっていたっけと思い読んでみたら元銀杏BOYZのチン中村のことだった。
    銀杏BOYZはアルバム1枚しか聞いていないけどチン中村はインタビューでいじられているという印象。
    バンドを脱退して山口県の周防大島に移住し、僧侶の修行を積みつつ農業を営む日々が語られている。
    東日本大地震を機に地方への移住や農業を始めることに興味を持っている人が増えている。雑誌やウェブニュースでもよく記事が出てるけど、移住や就農にあたって気になるのが地元の生活者と仲良くなれるかということ。
    この著者の場合は妻の親族が住んでいるのと妻と子供が先行して1年前に島に住んでいたためその点のトラブルはなかったよう。もちろん本人の人柄や努力あってのことだろう。
    島で生活してみると東京では見てなかった問題が見えてくる。高齢化、建物の老朽化など。特に本州につながる橋が外国船の衝突で壊れて水の供給が止まったことでの騒動が問題点を炙り出す。この事故のことはニュースで見かけていたけど、その後のことは何も知らなかった。高齢化社会でのインフラ寸断のケースとして参考になる。
    日々の出来事に思いを巡らすのだけど著者の性格からか揉め事には触れないのでなんとなく楽そうに見えてしまう。本当はいろいろあるんだろう。むしろ何かあった時に自分の理解が足りないんじゃないか、違う意見があるんじゃないかと考える傾向があり、そこが僧侶になるきっかけでもあったように感じる。
    今も機会があれば演奏をすることもあるようだけどバンド脱退にまつわることが語られるのを読むと音楽をやめると決断するのも納得する。表紙や帯に芸名もバンド名も載せてないのは島で暮らす中村明珍として発言していきたいのだろう。
    出版社はミシマ社。1人出版社としてスタートして今では東京と京都にオフィスを構える個性的な出版社だ。起業の後押しになった内田樹が関わることでこの本の元になる連載も始まったようだ。

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