MOMENT JOON「日本移民日記」
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ECDへの追悼文を読み気になっていた韓国出身のラッパー、MOMENT JOON初の著書「日本移民日記」。
「韓国出身のラッパー」と説明してしまう時点で著者からしたら違和感を感じさせてしまうかもしれない、それぐらい繊細な感性で日本で生きることことをつづった本。
外人やら韓国人、果ては差別用語で語られるのではなく、自分を日本に移り住んだ「移民」と規定して、日本に住む1人の人間として扱われることがどんなに難しいかいろんな角度から書かれている。
さらに「移民」である先には定住する「在日」という言葉があり、いつから在日になるのか、いつ在日でなくなるのかと疑問は広がっていく。
正直日本は外国出身の人が住むには厳しい排他的な社会だと思うけど、恨みがましいことは言わず自分の居場所を探し出すポジティブな意欲を感じる。
文藝に自伝小説も書き、ラッパーとしてのアルバムも出し、初の著書を出したタイミングで引退を宣言している。それも今自分がやっていることとやろうとしていることが違ってきているからというので自分の本心に正直な人なんだろう。そういう人にこそ声を上げ続けてほしいと思うが本人の気持ちが1番大事だろう。
次のアルバムを作って落ち着くまでは活動するようだし、その後のことも定まってくるだろうしひとまず動きを見ておきたい。
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