岡田憲治「政治学者、PTA会長になる」
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タイトルだけで読もうと思った「政治学者、PTA会長になる」。
専修大教授岡田憲治がPTA会長を務めた3年間を振り返った記録だ。
PTAという旧態依然とした団体を改革していく話しかと思ったら紆余曲折、政治的な判断をしつつなんとか前向きな方向に持っていこうとする苦闘の日々だった。
PTAは任意団体だしボランティアだからどうしてもやらなきゃいけないということではなく、できない時はやらなくていい。仕事ではなく活動だ、という著者の主張はもっともなんだけど時には不合理なことも「不作為の政治」を求められることもある。
日本では何事も波風なく前例踏襲、これまで通りにやっていきたい「オペレーター」がリーダーをやっているケースが多い。そこに物事を決めて流れを変えていく「リーダー」が現れたらどうなるかの実践の書とも言える。
今は晩婚化で親の年齢も幅広いし職業も様々。母親も専業主婦より働いている人の方が多い。多様な上にそもそも組織慣れしてない人もいる組織に対してリーダーシップを発揮するという点で、PTAに限らず役所や企業に接するコンサルタントや講師にも参考になると感じた。ミンシュシュギの実践ということでは議員にこそ読んでほしい内容だ。
もちろんPTAに関わっている人には切実に受け止められる内容だろう。
子供や親の負担を減らすため知恵を振り絞って立ち回るのはリーダーにふさわしいと感じた。うまく立ち回れなかったことも正直に書いてあるのもいい。
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