千早茜「わるい食べもの」
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美味しいもの、身体にいいもの、好きなものにまつわる食のエッセイがあふれる中、書店で気になり手を取った「わるい食べもの」。
著者の千早茜の本を読むのは初めて。もう10年以上作家を続けていてこれが初エッセイ。エッセイに苦手意識があったのと食について書けるか心配になりながら始めた連載だという。
苦手な食べものだったり偏食の由来や暴飲暴食についてなど食に関してちょっと変わった視線から書かれている。もちろん好きなものへの特別な思いや日々の生活についても。
幼少期にアフリカのザンビアに住んでいたというのも他の人にはかけないことだろう。
惹句ほど攻めた内容ではなく丁寧な描写でものごとを見つめていて小説も読んでみたくなった。
特に暴飲暴食については今までだと太ってるタレントが面白話し的に語るものが多かったので淡々と食べるなか周りの人が離脱していく様が書かれてるのは新鮮かもしれない。
好評なようで単行本も文庫になったしホーム社文芸図書WEBサイトで今も3年目の連載が続いている。内容に合わせて個性的な北澤平祐のイラストもカラーで見られる。

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