シュート・アロー「東京ジャズメモリー」
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本屋で面出しされてて何故モンク?と手に取った本。シュート・アロー「東京ジャズメモリー」。
聞いたことのない著者名だと思ったら楽器メーカー勤務の会社員でジャズ喫茶のマッチコレクターとのこと。
主に1981年前後のジャズ喫茶やライブ会場などジャズにまつわる思い出が書かれている。
ジャズは好きが高じて本を執筆する人が多い印象がある。
ただジャズ喫茶の存在が弱まっていった時期について評論家でもミュージシャンでもない人から見た視点は新鮮。村上春樹が経営していたピーター・キャットも訪れている。当時の店舗やマッチの写真も貴重。
海外のジャズミュージシャンが1981年に多数ライブをやっていたり日本のジャズミュージシャンもテレビに出たりしていたことから「日本ジャズ1981年最盛期説」というのを唱えているのだが50〜70年代にジャズを聞いてた人たちが現場を仕切るようになって招聘できたということではないだろうか。
あとがきで著者も触れてる通り、出版を予定していたものではないためジャズ喫茶だけとかでなく取り上げる対象は章によって異なるし個人的な思い出も多く取りとめはない。
エルヴィン・ジョーンズやネイザン・イーストの逸話などその場に居合わせた人の記録は貴重だ。
著者はピアノを弾くそうなので音に関して細かい指摘もあるけど一般的なジャズファンだなと感じた。
ジャズに猥雑さや狂気を求めたり、ジャズについて議論したい人には向かないと思われるのでご注意を。
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