イカリエXB1
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昨夜見た2本目の映画は2018年に「キューブリックの2001年宇宙の旅にインスピレーションを与えた」という触れ込みで日本初公開された「イカリエXB1」。
そんな映画聞いたことないなと思ったら1963年にチェコスロバキアで作られたSF映画らしい。当時欧米でもヒットしたけど日本には情報も入ってきてなかったよう。
2163年に生命探査の旅に出た宇宙船イカリエXB1を舞台に事件や人間模様が描かれている。
宇宙船の内部は1980年くらいまでのSF映画やアニメのよう。スターウォーズやハーロック、ヤマト、ガンダムみたい。第二次大戦の戦艦や潜水艦の延長。
艦内システムにつながった監視カメラや通路の造形なんかは確かに2001年宇宙の旅に通じる。
ストーリーとしては漂流中の宇宙船との遭遇、船外作業、未知の巨星との遭遇などの合間に閉鎖された空間での人間関係の軋轢や恋愛などが描かれていく。
放射線の恐怖を扱っているのも63年の東欧という感じがする。
SFは未知の世界を描くものだからセリフがどうしても説明っぽくなってしまう。キューブリックはその説明的なセリフを省いたから2001年宇宙の旅は難解になってしまったんだろう。1968年の公開時はサイケデリック全盛の頃でアメリカ西海岸ではラリって見る映画だったと聞いたことがある。
1963年の映画の割りに科学考証もシナリオもしっかりしていると思ったら原作はスタニスワフ・レムの小説「マゼラン星雲」だった。日本では未訳。
影響を受けた作品があふれているからか見ていて退屈になるところもあるけど宇宙船のセットと電子音楽や音響は素晴らしい。
ちなみにここまで4本ヨーロッパ映画が続いたのは上映時間が短いものから見ているから。アメリカ映画は変なサービス心と他の映画に合わせたりで120分以上あるのがデフォルトなんで手が伸びない。
人間の集中力は90分しか続かないというし映画は100分以内が理想だな。
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