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    ジーン・シモンズ「才能のあるヤツはなぜ27歳で死んでしまうのか?」

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    数年前、KISSのジーン・シモンズが若くして亡くなったミュージシャンについての本を出したというニュースを見かけたのだけど最近翻訳が出版された。その名も「才能のあるヤツはなぜ27歳で死んでしまうのか?」
    1969年から71年にかけてストーンズのブライアン・ジョーンズ、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョップリン、ドアーズのジム・モリソンが相次いで亡くなり、全員27歳だったことから注目された。
    時を経て1994年にニルヴァーナのカート・コバーンも27歳で自殺すると、早世の伝説が強化されてアメリカでは27 Clubなんていわれるようになった。
    じゃあ何故ジーン・シモンズがこの本を書いたかというと、ドラッグをやることどころか鬱になるのも自分が弱いからという考えで精神的に儚い人たちへ酷い振る舞いをしてきたことを反省し、その人たちの足取りを見ていこうとしたからだそう。
    ロバート・ジョンソンから始まりそれぞれの人生がまとめられている。
    ジーン・シモンズの想像や意見、共通性への考察などは書かれていない。
    だけど近年のカート・コバーンやエイミー・ワインハウスに対しての書き方を見てると違和感がある。
    思うに2人とも急に売れたことで以前の自分と変わったり、自分に嘘をつくのが嫌でドラッグに逃げていたように感じられる。カートなんか最後の来日公演とレディングではパジャマでステージに上がっている。家の自分そのままということ。
    ジーン・シモンズは「売れたことに対するプレッシャー」の一言で済ませている。この認識の断絶は深い。
    調べてみたらジーン・シモンズはイスラエル出身のユダヤ人で母親は子供の頃ナチスの収容所にも入っていたとか。アメリカに渡った頃は貧乏で苦労したため成功への意欲が強かったらしい。売れて悩む理由がわからないのだろう。
    そもそもジーン・シモンズという名前も日本では知られてないけど昔のロックンローラーから名付けている。KISSは悪魔のメイクをしているし、ジーン・シモンズもいわばキャラ作りをして本当の自分とは別の存在としてエンタメの世界で演じている。その辺りの胸中が書かれていたら良かったのにと思った。
    あとミュージシャンの中に1人だけバスキアが取り上げられてるのは謎。Studio 54の常連でウォーホールと親しかったのを言いたかったのかな。
    星海社の新書で出たのだけど解説がないからわかりにくいかも。ただ一人称が「私」でよかった。ミュージシャンの本はなぜから「オレ」になるケースが多いから。訳文が固すぎると思う人もいそうだけど多分原文がロジカルで固いからだと思う。
    ちなみにタイトルは原書の「27クラブの伝説と神話」の方が合っている。というか日本のタイトルをイメージして読むと期待を裏切られるかも。
    ドラッグを忌み嫌うのにジーン・シモンズはカナダのカナビス関連会社の役員をやっている。これも大麻への認識が変わったからだそう。
    それと、この前電車に乗ってる時にこの本を読んでいてジミヘンの章で中神楽坂について街を歩いてたら、たまたまジミヘンのグラフィティーを見かけた。

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    ちなみに別の著者による「27クラブ」という本も出たばかり。
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