川田十夢「拡張現実的」
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AR三兄弟を名乗る拡張現実ユニットの首謀者、川田十夢による初の単著。
拡張現実のわかりやすい例はプロジェクトマッピングとか。AR三兄弟もきゃりーぱみゅぱみゅのライブ演出に関わったこともある。
10年ほどTVブロスで連載されていたコラム等がまとめられている。
雑誌のコラムはリアルタイムで読まないと楽しめないものが多いけど、この本は2020年3月だから1年前に発売されてるのに古びていない。
時系列でなく時間、物語、空間、教育など話題ごとに章立てされているが便宜的なものでものものしい内容ではない。
物事を「拡張現実的に」考えて発想を広げている。軽い話題も著者の発想で新鮮な見方にも深い考察にもなる。
10年分まとまると特徴が出ていて①「2つのものの共通点もしくは相違点をさぐる」、②「言葉を反対から考える」ことが発想の基となっている。
①だったら「隕石と秋元康」、「算数と道徳」。
②はタイトルに顕著で「踊る気持ちと踊りたくなる気持ち」、「飲み物みたいな読み物。読み物みたいな飲み物」、「出世する魚、出世しない魚」。
時事的な話題やアイデアだけじゃなくて考えている経過や発想の仕方が面白いから長く読めるものになっている。
連載だからAR周りの発展や悩みも少し記録されているのも後世には価値がありそう。
物事の考えを深めたい、新しい発想を探してるという人は読むと楽しめる。
安易なアイデアだけを求めてる人には向かない。
表紙の印刷が凝っていて触れて心地よいから紙の本で読むのがおすすめ。
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