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    サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス

    CATEGORYMovie


    1974年の映画「サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス」が横浜でも上映されてるので伊勢佐木町へ。映画館はコロナ後初。シネマリンはJBのドキュメンタリー以来だ。
    ジャズ・ミュージシャン、サン・ラーの思想を映像にしたものだけどいきなり宇宙船とか出て前知識がないと楽しめないんじゃないかな。
    サン・ラーは土星出身で黒人を宇宙に連れて行くと言っていた。なぜ宇宙かというと地球では黒人は差別をされているから差別のない自由な宇宙に戻ろうという考え。
    名前のサンは宇宙に輝く太陽、ラーはエジプトの太陽神から。エジプトは黒人が作った王朝だから黒人の誇りとして古代エジプトをリスペクトしていて衣装などもそれに準じている。
    なので黒人解放を目指してサン・ラー・アーケストラを率いて演奏を続けているのがサン・ラーだ。
    映画ではそのあたりの説明が省かれているから初めての人には不親切。逆に公開当時はそのことを知っている人が映画を作れるくらいいたということなんだろう。
    サン・ラー・アーケストラはメンバーが不定で演奏するたびに入れ替わる。音楽的にはスイングジャズ、ジャズファンク、フリージャズと基本はジャズ。
    数年前にアルバム4枚入りで1200円くらいだった廉価盤を買ったら初期のシングルも入ってた。その内8曲、つまりシングル4枚はドゥーワップだった。これはパーラメントのジョージ・クリントンとも共通している。
    サン・ラーの考え方は、宇宙にいた黒人が地球に連れ去られたから元の宇宙に戻ろうとかバリエーションがありながらアフロ・フューチャリズムとして広まっていく。黒人文化の中で宇宙や古代エジプトをモチーフにしたものが多いのはサン・ラーの影響と言ってもいい。
    パーラメントも大人数のバンドで宇宙を打ち出してたし、アース・ウインド・アンド・ファイヤーもアルバムのジャケットは宇宙とピラミッドばかりだったのはそのせい。
    マイケル・ジャクソンも宇宙好きだったしエジプトがモチーフのPVも作っている。
    日本のバンドの渋さ知ラズはサン・ラーを日本にローカライズしたものと言える。
    今回オリジナルのフィルムをデジタル化して約50年後に日本で初公開されることになったのだけど、人種間の対立が激しくなっている今にはちょうど合っているのかも。
    映画はドキュメンタリーを作ろうとしたけどインパクトが弱いからサン・ラーの思想を映像化しようとなったようだけど低予算だから仕方ないけど安っぽいSF風ドラマとなっている。無意味にヌードが出てきたりする。サン・ラーが乗ってる宇宙船も女体モチーフだし。
    この先映画館で公開される機会は少ないしアフロ・フューチャリズム、70年代ブラックスプロティテーションの先駆けとしての価値はあるからサン・ラー好きは見ておくといいよ。
    サン・ラーは1988年に来日してる。バブルの頃の日本はすごいな。今も黒人のミュージシャンは日本に来ると差別はないしアーティストとしてリスペクトしてくれるから天国みたいだなんて良く言うけどサン・ラーはどう思ったんだろう?
    サン・ラーのコレクターとしてはソニック・ユースのサーストン・ムーアが有名。

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