三品輝起「すべての雑貨」「雑貨の終わり」
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本屋でふと目に止まった一冊、「雑貨の終わり」。
帯に「西荻の雑貨店主が綴るエッセイ集」とあるので著者プロフィールを見るともう一冊本を出している。
となると一冊目が面白いから二冊目が出たのだろうから二冊とも読んでみた。
雑貨店主が書いた本というとものや業界やお客さんについて書いてるのかなと思うけど、デビュー作「すべての雑貨」は雑貨屋が扱う商品が年々拡大している、どこまでが雑貨で何が雑貨でないのか悩み続けるメタ雑貨論とも言うべき内容。
過去の日記かブログから抜粋して書き足していったような長い時間の流れを感じた。
続く「雑貨の終わり」は雑誌の連載が中心で一章毎に内容が独立している。こちらは昔の思い出や描く相手の気持ちを物語的に描写したりと誰もが思うようなエッセイの割合が増えている。
写真を見ると二冊とも似た装丁だけど出版社が違う。
一冊目は一人出版社の夏葉社から出ていて、無名の著者の本をいきなり書き下ろしで出そうと決めたのがすごいと感じた。
二冊目は新潮社から出ていて、インディレーベルからデビューしたミュージシャンが2枚目でメジャーに移籍したようなもので夏葉社からしたらやるせない気持ちもあるのだろうなと思う。もちろん著者にもそういう気持ちはあるだろうけど新潮社は連載の版元だから仕方ない。
著者は海外文学をかなり読み込んでいるようで、興味の範囲も広い。これからもお店にいると雑貨について考えるのだろうから次に出る本を楽しみに待ちたい。
すべての雑貨
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雑貨の終わり
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