時間は存在しない
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刺激的なタイトルで読んだら中身も痺れた。
量子重力の研究をしてる物理学者が一般向けに書いた本。
時間というのは不思議で過去はわかるけど未来が遡ってきたりはしない。感覚的に伸びたり縮んだりする。物理的には飛行機など速い乗り物に乗るとゆっくり進み、山の上など重力が弱いと早く進む。
宇宙に目を向けると例えば今目に見える火星は光の速さで15分前の姿で、そこまで距離が広がると「いま」という意味が揺らぐ。(その点では地球は「いま」という概念が通じる大きさにたまたま収まっている)
量子論を突き詰めると世界の成り立ちを表す数式に時間の変数が必要ないと1960年代には分かっていたらしい。
時間の変数が必要ないから「存在しない」という表現になる。
ただこの世に生きてる身としては時間の流れを意識せざるを得ず、割り切れない。
物理学的にはいろんな「いま」が関係しあっている結果として時間があるという認識らしい。時間が等しく流れるのではなく、それぞれの時間が存在している。
今の量子重力理論も100年前にアインシュタインが予言していたことから発展していることを考えると、先見の明があっても人1人の人生では追求しきれずに結果が後世に持ち越されている。アインシュタインでも紀元前のギリシャ人でも才能のある人の寿命がもっと長ければ人類の知識ももっと進んでいたかもと感じた。原著名は「時間の順序」で時間はあるんじゃなくてあると思うから時間があるという意味だと思う。
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