樋口毅宏「ドルフィンソングを救え!」
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ブルータスに連載していた樋口毅宏の「ドルフィンソングを救え!」が単行本になったので買ってきた。
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アマゾンからあらすじを抜粋
45歳、結婚経験なし、子どもなしのフリーター、トリコが人生に絶望して自殺をはかり、意識を取り戻した先は、昭和の終わり、バブルまっただ中の1989年の渋谷。
30年前にタイムスリップしたトリコは、 青春時代に好きだったバンド「ドルフィン・ソング」の解散を阻止すべく、奔走する!
トリコはドルフィン・ソング、島本田恋と三沢夢二のふたりを救えるのか?!
時代は彼女に、何をさせようとしているのか?
そして、最終的にトリコが行き着く先はいったい、どこなのだろうか?
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90年代偽史タイムスリップもの。
フリッパーズ・ギターの解散をモチーフにしてるわけだけど、主人公の設定や名前のつけ方とかからもわかるように、偽悪的なのかファンを逆なでするような面が強い。
樋口毅宏はデビュー作がグレート3にインスパイアされたと言ったり、エロ雑誌編集者時代の体験談を小説化したり、論ではないタモリ論を出したり、煽り体質なんだろうな。
この小説も冒頭でネトウヨをバカにしてるし。
タモリ論に似て、話の本筋より、樋口毅宏がフリッパーズ・ギターをどれだけ好きか、という主張が強い。
「カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生」の渋谷直角もそうだけど、90年代カルチャーどっぷりな人はなんでひねくれてるんだろう。このマンガの名前も出てくるから、樋口毅宏自身も意識してるんだろう。
表紙は岡崎京子の「リバーズ・エッジ」から。よく許可したなと思う。
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