紋切型社会 武田砂鉄
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時間をかける表現が減ってるな、なんて考えてたら、ちょうどこんな本が目に留まった。
武田砂鉄「紋切型社会 言葉で固まる現代を解きほぐす」
育ててくれてありがとう、全米が泣いた、うちの会社としては、逆にこちらが励まされました、といった無難にこの場をまとめるような20のフレーズを社会学的に解きほぐしていく。
砂鉄という名前にインパクトがあるので、なんの話題か忘れたが以前ネットの記事を読んだことがあった。河出書房新社でノンフィクションの編集者をやっていて、独立してライターになり、初の著作だという。
今年の4月25日に発刊されて、6月には四刷りなんだから、この手の本としてはすごく売れている。わかりやすいタイトルが受けたのだとしたら、皮肉なことだ。
ネットで言葉が溢れれば溢れるほど、陳腐なフレーズが増えていく。
今の時代に言葉について考えることは、ネット社会の閉塞感や一方的な悪意について考える面が強いが、その面が強いのはある意味ありきたりなことだと思った。
時事的な話題も織り交ぜている割に論考も浅いし、何より1章が長すぎる。
ネットのページ稼ぎに合わせた原稿書きに慣れてるからなのかな。
適菜収にも感じた印象と近い。
時間をかける表現
http://fantasticsomething.net/blog-entry-1551.html
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